アメリカ、フロリダ。

特大のハリケーンが迫る中、避難地域に住む父親と連絡が取れず様子を見に行くと、床下にワニ！！

 

ハリケーンの暴風雨とワニに閉じ込められた父娘の決死のサバイバルを描いたディザスター＆アニマル・パニック・ホラー作。

 

ワニに襲われるという題材はＢ級。

「凶暴領域」という副題もＢ級感を煽りますが、製作はサム･ライミ、監督にはホラー作で実績のあるアレクサンドル・アジャを起用。

相応の予算を掛けてしっかりと作られているので映像に迫力があり、安っぽさは感じません。

 

タイトルの「クロール」は、主人公がクロールの水泳選手である事と、ワニが獲物を食いちぎるための必殺回転技デスロールの事と思われます。

 

 

（密室系ホラー）

ほとんどのシーンが家の中。

水位がどんどん増して、ワニのアドバンテージも増しながら、床下→屋内→屋根と場面が移ってきます。

途中なんとか外へ脱出し、苦労してボートを手に入れたのに、洪水に飲まれ一瞬で家の中に戻されたのは笑えました。

（ネタに対して真面目すぎた部分も）

ネタがＢ級なので、演出にもＢ級的な所(ざっくりした所)が多々見られます。

（ワニに噛まれまくりで大ケガしながらもガンガン動きまくる主人公たち。

ワニがウヨウヨいる中で、足にケガをした娘に対して父親が「泳げ！お前はワニよりも早い！」と無茶苦茶なことを言い出したり、都合のいいところでワニの視覚･聴覚等索敵能力をかなり抑えめに描いたり。）

 

このざっくり感は愉快で楽しめるのですが、その一方で父娘の家族ドラマを真剣に描いたり、ワニを必要以上にモンスター化せずに描いたり、真面目な面もあります。それが仇となり「ざっくり」と「真面目」のちぐはぐ感があります。

 

扱うネタがＢ級なんだから、父娘のドラマなんて必要ない気がします。

屋根上に逃げ切った主人公が発煙筒を振る、「ザ・ロック」を彷彿とさせる

ラストシーンもしかり。逃げただけじゃあつまらない。

あり得ないほどバカでかいＣＧのワニをラスボス的な感じで登場させて、それを退治してこそのアニマル･パニック･ホラー。

 

（ワニについて）

作中でのワニは「アリゲーター」と言われてます。

 

ワニは英語では「アリゲーター」か「クロコダイル」種類が違います。

 

一般にクロコダイルの方が大きくて凶暴です。

 

 

ワニのアニマル･パニック･ホラー作はたくさんありＢ級作の宝庫です。

 

（フロリダ州）

舞台となったフロリダ州。実際にワニが多いです。

ゴルフ場の池にいたり、普通に道端で日向ぼっこしたりとか、日常的に見かけることが多いです。もちろん下手に近づいたりしなければ襲ってきたりはしません。

またアメリカで最もハリケーンに襲われている場所。

本作の舞台にはうってつけの場所です。

 

（見どころ）

●迫りくる水

セットで作られた家をぐるりと壁で囲い、その中に実際に大量の水を流し込んで、水没した建物や街を再現してます。かなり大掛かりな仕掛けを作っただけあって、大洪水のシーンなど水の絡むシーンは迫力がありました。

水没した町のアクション作1998年「フラッド」を思い起したり。

 

●主演カヤ・スコデラリオの演技

恐怖演技良かったです。

 

主演カヤ･スコデラリオと父親役のバリー･ペッパーは「メイズ･ランナー」シリーズでも共演しております。