クリムゾン・リバー 

Les Rivières Pourpres)(The Crimson Rivers2000

監督  
マチュー・カソヴィッツ  
キャスト  
ジャン・レノ ピエール・ニーマンス警視 
ヴァンサン・カッセル マックス(警部補)
ナディア・ファレス ファニー(登山家女子大生)
カリム・ベルガドラ 憲兵隊長
ジャン・ピエール・カッセル シュルヌゼ(眼科医)
ディディエ・フラマン ゲルノン大学長
ドミニク・サンダ ジュディット・エローの母(修道女) 

全身に裂傷、両手は切断、両目を抜かれた猟奇死体が発見される。

捜査のためニーマンス警視が現場である学園都市ゲルノンへと入る。

 

一方ゲルノンから離れた田舎町では交通事故で死亡した10歳の少女の墓が荒らされ、小学校から彼女の記録が盗まれていた。

 

2つの事件が交差する時、学園都市の裏に隠されたおぞましき血の陰謀が牙を剝く!

 

原作はジャン・クリストフ・グランジェの同名小説。

 

ヴァンサン・カッセルはカソヴィッツ監督作1995年「憎しみ」でも主演してます。

また本作では眼科医シュルヌゼ役で父親のジャン・ピエール・カッセルが出演してます。ただ親子が直接絡むシーンはありませんでした。

 

フランスのスリラー・サスペンス映画。

凄惨な遺体をドンッと見せつけることでサイコ・スリラー的な装いも演出していますが、サイコパス犯人と向き合う要素は薄く、事の真相を明らかにしていくサスペンス要素が強めの作品です。

無茶を押し通していく刑事2人のバディものでもあります。

 

あまり必要性を感じなかった日本の格ゲーを意識したチンピラとのアクションシーンや、事件のあらましにツッコミどころはありますが、凄惨な死体に引けを取らない、おぞましき真相が効いてる良作サスペンス。

 

アクションシーンに時間を割くより、ファニーの育ての親を登場させたりしながら、ドロドロとした人間関係により焦点を当てても良かったかな。

 

(事件の真相)

いわゆる双子オチの作品ですが、初見では「過去の子供のすり替え行為」と

「母親の機転」がイマイチわからなかったです。

 

大学内で近親結婚を繰り返してたら、目に遺伝的疾患を持った子供が生まれるようになった。

大学病院の産科で、疾患を持つ大学関係者の子供と、村人の健康な子供をすり替えるようになる。

村人にファニーとジュディットの双子女児が生まれ、

ファニーだけが大学教授の娘とすり替えられる。

ジュディットと、すり替えられた教授の娘は双子として育つが、当然まったく似てない。さらに、ジュディットと教授の娘となったファニーの顔が同じことに誰かが気付くとヤバイ!

(そりゃそうなる。何故、双子をすり替えたー!?)

母親曰く「悪魔は娘の顔が怖い」とはこのこと。

すり替えがバレるのを恐れ、大学は少女ジュディットを亡き者にしようと。

双子の母親が機転を利かせる。

ジュディットの指を切り取り、事故で死んだの少女はジュディットだと思わせることに成功。

(ジュディットは「少女の死体を事故に利用した。」と言ってました。どこからそんなものを?普通に考えたらすり替えられた教授の娘?)

 

(見どころ&好きなところ)

凄惨な死体

惨たらしい死体をガッツし見せつけて、死体の目から涙(水)がこぼれる。

グッと引き込まれていくシーン。

本作の死体たちは生身の俳優さんでなく、俳優さんの体の型を取って作られたシリコン製の造形物。スゲーリアル。

 

●おどろおどろしい雰囲気

山々に囲まれた地、そしてミスマッチなほど立派な大学。閉塞感が漂う。

音楽も良かった。

 

★★★PICK UP LINES★★★

深紅の川

 

We are the masters.  We are the slaves.
We are everywhere.  We are nowhere.
We rule the purple rivers.

 

我々は支配者であり奴隷。

至るところに存在し、どこにもいない。

真紅なる川の支配者なり。

 

仏語の pourpre、英語の purple は一般的には「紫色」の事ですが、

「赤紫」「緋色」「深紅」の意味もあり、さらに「帝王」「皇位」の意味もあります。