気狂いピエロ D
(Pierrot Le Fou)1965
監督 | ジャン・リュック・ゴダール | |
キャスト | ジャン・ポール・ベルモンド | フェルディナン |
アンナ・カリーナ | マリアンヌ | |
サミュエル・フラー | 本人役(アメリカ人映画監督) |
?????! これが正直な感想ですかね。
これも映画なんでしょうが、観る人に楽しんでもらおうとは思ってないでしょうね。楽しんでるのは作ってる方でしょうね。
フランス映画(正確には仏と伊の合作)です。
1950年代末~60年代中頃にフランスでおこったヌーヴェルヴァーグという映画ムーブメントの中の代表作です。
ヌーヴェルヴァーグっていうのは大雑把に言えば当時の若手作家さん達が思うがままに作った作品たちです。直訳すると「新しい波」。映画を詩のような感情表現の道具として、ストーリーよりもエモ―ショナルな
雰囲気を重視した作品達。こういう言葉の定義はあるようでないので、あんまり意味ないし、観た人それぞれがどう感じるかなので気にすることもないですが。
ゴダール監督と主演の2人はヌーヴェルヴァーグを代表する監督・役者さん。ゴダール監督とマリアンヌ役のアンナ・カリーナは1961年に結婚、64年に離婚。離婚後に本作が撮られてます。うーん、複雑。その辺に由来する監督のエモーションも作品に反映されてる??
ラブストーリー、ミュージカル、ロードムービ、様々な要素がごっちゃまぜですが、私は喜劇だと思いました。台詞も色調も音も具体的な意味があるものではなく感情的。 とは言え一応ストーリーはあります。
破滅へと向かう男女の逃避行を描いてます。
「おもしろい映画を観て楽しみたい」という方はまったく観る必要はありません。
序盤のパーティーシーンで、アメリカの映画監督サミュエル・フラーが客人の一人として出演し「映画とは何かと?」と聞かれ「映画は戦場のようだ。ラブ、ヘイト(憎しみ)、アクション、バイオレンス、デス、つまりエモーションだ。」と答えてます。本作の事ですかね。
邦題は「きちがいピエロ」と読みますが、きちがいは差別用語にあたるので最近では「きぐるい」と読むことも。
★★★PICK UP LINES★★★
何度も使われたフレーズ
マリアンヌ
「ねえ、ピエロ」
フェルディナン
「僕はフェルディナンだ。」