エベレスト A

(EVEREST)2015

監督 バルタザール・コルマウクル  
キャスト ジェイソン・クラーク ロブ・ホール (AC隊 隊長)
  キーラ・ナイトレイ ジャン(ロブの妻)
  ジェイク・ギレンホール スコット・フィッシャー(MM隊 隊長)
  ジョシュ・ブローリン ベック・ウェザーズ(AC隊 客)
  ジョン・ホークス ダグ・ハンセン(AC隊 客)
  マイケル・ケリー ジョン・クラカワー(AC隊 記者)
  マーティン・ヘンダーソン アンディ・ハロルド・ハリス(AC隊 ガイド)
  トーマス・ライト マイク・グルーム(AC隊 ガイド)
  エミリー・ワトソン ヘレン・ウィルトン(AC隊 ベースキャンプ)
  エリザベス・デビッキ キャロライン・マッケンジー(AC隊 医者)
  アン・フーラ アン・ドルジェ(AC隊 シェルパ頭)
  森 尚子 難波 康子(AC隊 客)
  サム・ワーシントン ガイ・コター(AC社 別チーム隊長)
  ロビン・ライト ピーチ(ベックの妻)
  イングヴァール・E・シーグルソン アナトリ・ブクレーエフ(WW隊ガイド)
  トム・グッドマン・ヒル ニール・ベイドマン(WW隊 ガイド)
  ペンバ・シェルパ ロプサン・ジャンブ(WW隊 シェルパ)
  ヴァネッサ・カービー アンディ(WW隊 記者)

標高8,848m 

ちょっとした情報の行き違いや、少しの判断ミスが死に直結する極限の世界。

まさにデス・ゾーン。

その世界に挑んだ人たちのドラマ。

1996年にエベレストで実際に起きた大量遭難事故を描いた作品。

登場人物はみな実在した人たちです。

 

順調に登山成功では映画にならないし、なにせ挑むは世界最高峰。必ず何か重大なトラブルや事故や起こる事はわかっていて、それがいつかいつかとドキドキしながら観るわけですが、そこへさらに、 混み合う登山ルート、登山隊の間の不和、アマチュア登山者の技術や健康不安、主人公ロブ・ホールはじめ登場人物たちが見せるどこか不安げな表情等々、心配ネタを継続的に出して不穏な空気を煽るのが巧かったです。

 

作中で描かれた通り、ニュージーランドの登山家ロブ・ホールはアドベンチャー・コンサルタンツ社(AC社)を立ち上げ、エベレストの商業登山の分野を切り開いた人。その遺体はいまだエベレストで眠ったままです。

 

(見どころ)

●そのまんまですがエベレスト登山

バーティカル・リミット」のようなエンタメアクション色の強い雪山モノもありますが、本作は実話ベースという事もありリアル志向。

エベレスト登山の厳しさ、過酷さ、怖さがよく伝わってきます。

 

●雄大、荘厳な雪山のロケーション。

3D映画として公開されました。3Dでなくてもいいですが、映画館で観たいですね。

 

(関連作品、書籍等)

・遭難事故の翌年1997年にも映画化されてます。

       「エベレスト 死の彷徨」(DEATH ON EVEREST)

 

・作中でエベレストに挑む隊の中に、IMAX隊の名がありました。

映画製作のため登山に訪れた同隊は遭難事故の2週間後に登頂に成功。

1998年に「Everest」というドキュメンタリー映画が作られてます。

 

・AC隊に参加した記者ジョン・クラカワーは事件の翌年に手記

 「空へ-エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」を出版。

 

・奇跡的に生き残ったベック・ウェザーズも2001年に「死者として残されて-エヴェレスト零下51度からの生還」を出版。

ベックは事故で両手、鼻、両足の一部を失いました。

 

・スコット・フィッシャー率いたマウント・マッドネス(MM)隊のガイドのアナトリ・ブクレーエフも1998年「デス・ゾーン8848M-エヴェレスト大量遭難の真実」を出版。 無酸素で登頂したロシア人のタフガイです。

 

★★★PICK UP LINES★★★

Why?① ― やっぱこの答えでしょ!

 

ジョン・クラカワー

Why?(なぜ登る?)

 

みんな

Why?  Because it's there!(なぜって、そこに山があるからだ!!)

 

ベック

That's why.  Thank you, Mr.Mallory.

(そうとも、なぁマロリー。)

 

 

 

Why?② ― ダグの真面目な答え 

 

I'm climbing Mount Everest because I can.

Because to be able to climb that high and see that kind of beauty nobody ever sees, it's be a crime not to.

 

僕がエベレストに登れるのは、出来るからさ。

あの高さ、誰も見たこともないような美しい世界、出来るのに登らないなんて罪だ。

 

 

(イギリスの登山家ジョージ・マロリーの有名な台詞)

”Because it's there.” 

記者の「なぜエベレストに登りたかったのか?」との質問への回答。

よく「そこに山があるから」と言われてますが、ここでの it はエベレストを指すので「そこにエベレストがあるから」が正確。

 

マロリーは3回エベレストに挑みました。

1921年 ①回目は本格的なアタック前の調査登山。

1922年 ②回目は雪崩でシェルパに犠牲が出て登頂断念。

1924年 ③回目。

パートナーのアンドリュー・アーヴィンと共に山頂付近で遭難し死亡。

その遺体が発見されたのは75年経った1999年。

滑落により死亡。遺体の状況から様々な推測がなされるが、マロリーが登頂に成功したかはいまだ不明です。

(登頂していたとしても無事に下山できていないので、登頂成功とは言えないと思いますが。)

 

ちなみに人類が初めてエベレストを制したのは1953年。

ニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリーとチベット人シェルパの テンジン・ノルゲイです。

 

本作の主人公ロブ・ホールも、ヒラリーと同じくニュージーランドの出身。