運命を分けたザイル A
(TOUCHING THE VOID)2003
監督 | ケヴィン・マクドナルド | |
本人 | 演者 | |
ジョー・シンプソン | ブレンダン・マッキー | |
サイモン・イェーツ | ニコラス・アーロン | |
リチャード・ホーキング | オーリー・ライアル |
1985年ペルーのアンデス山脈にそびえるシウラ・グランデ峰に前人未到の西壁からの登頂に挑んだ2人の若きイギリス人登山家(冒険バカ)。
登頂には成功するが下山途中の事故で死に直面した2人が生還を果たした実話を描いた作品。
本人のインタビューと再現映像で構成されたドキュメンタリーチックな映画。
フジテレビの「奇跡体験アンビリーバボー」のような構成で、とにかく再現映像のクオリティがハンパないです。
本人がインタビューに出演してるので、生還出来たという結果はわかるのですが、再現映像で描かれるあまりにも過酷で絶望的な状況から一体どうやって助かったのかと引き込まれていきます。まさに奇跡的なアンビリーバボー・ストーリー。
雪山遭難サバイバル系の中でも、リアルで真摯な描写に徹した作品だと思います。
片足を骨折し、クレバスに落下しながらも奇跡の生還を果たしたジョー。
インタビューで語る本人は、いかにも自信家、タフガイという感じ。
強力なメンタル、フィジカルを持つ彼だからこそ帰還できたんでしょう。
その後6度の手術を乗り越えたジョーがアルプスのアイガー北壁に挑む続編が2007年に作られてます。
(アイガー北壁は世界最難関コースの一つです。)
ケヴィン・マクドナルド監督は1999年にアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したドキュメンタリー作家さんです。ドキュメンタリーじゃない映画も撮ってます。
(見どころ)
●圧倒的な雪山世界の映像。
●極限の極限まで追い詰められた人間の心理状態や体。
★★★PICK UP LINES★★★
アンデス山脈 シウラ・グランデ西壁に挑む
To climb mountains that have not been climbed before, or a new route at a mountain is what my climbing life had been moving towards.
A friend of us, who'd done an amazing amount of climbing in South-America had seen this face in the mid-70's.
I think he said it would be a challenging day out.
It was the last big mountain face in this range of mountains, that hadn't been climbed. There's a great unknown there.
What's so compelling is stepping into that unknown.
前人未到の山や新しいルートに挑むことが、僕の登山人生の原動力だった。
70年代半ばに仲間が南米で登山中にこの壁を見たとき、確かこう言っていた。やりがいのあるチャレンジになるだろうと。
このクラスの未踏の山では最後の大壁だった。
大いなる未知の世界。 そこへ分け入る興奮に奮い立った。
※原題の touching the void
void は「空虚、空の、穴」の意。
クレバス、希望を失う絶望的な状況、精も根も尽き果てた自分自身、そんな事態に直面したという意味だと思います。
映画邦題はいまいちな気がします。ザイルを切る切らないの選択ではなく、切った後の生還劇がメインの作品なので。
原作となったジョー・シンプソンの著書の邦題「死のクレバス」のままでよかったのでは。